CNNニュースより
(CNN) 東日本大震災で被害を受けた福島第一原子力発電所の事故は米スリーマイル島原発事故(1979年)の規模を上回り、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(1986年)に次ぐ事故に相当するとの見解をフランス原子力安全機関(ASN)当局者が示した。
ASNのラコスト総裁は15日、報道陣との会見で、原発事故の深刻さをレベル0―7の8段階に分けた国際原子力事象評価尺度(INES)で、福島原発事故はレベル6の状態にあると述べた。スリーマイル島原発事故は「施設外へのリスクを伴う事故」を示すレベル5、チェルノブイリ原発事故は「深刻な事故」を示すレベル7だった。
日本の原子力安全・保安院は当初、暫定的な目安として、「施設外への大きなリスクを伴わない事故」のレベル4に当たると述べていた。国際原子力機関(IAEA)のグレッグ・ウェブ報道官によれば、IAEAはまだ判定を示していない。
米フロリダ州立大学の核物理学者、カービー・ケンパー博士は「短期的および長期的影響を評価するには時期尚早で、われわれには十分な評価材料がない」と話す。同博士は付近の退避を解除する前には土壌を調査する必要があると指摘する。
米コロンビア大学放射線研究センターのデービッド・ブレナー所長も、INESによるレベル判定はまだ早いと語り、「何度か判定を求められたが断っている」と明かした。
スリーマイル島の事故での死傷者はなく、汚染も低レベルにとどまった。一方、チェルノブイリでは直後だけで少なくとも30人が死亡し、放射性物質による汚染はウクライナ、ベラルーシ、ロシアの広い範囲に及んだ。